構築と撤回

◆友人のお店である「ダイトカイ」がクラウドファウンディングを行っている。新型コロナウイルスの影響は計り知れず、個人でやっているお店は本当に辛い思いをしていると思う。私にとっての好きなお店や思い出深い場所も少しずつその数を減らしていった。最近で言えば、渋谷のParis COFFEE、秋葉原CLUB GOODMAN。いつも行くお店が当たり前にある環境は実に儚いものだという認識を改めて強くした。
 クラウドファウンディングは支援してくれた場合、お店から何らかのバックがある。ダイトカイではアーティストブックやTシャツ、アフターパーティのチケットなどを用意している。私は微力ではあるが、アーティストブックに自分の作品を提供する流れとなった。アーティストブックに名を連ねる人は画や写真の分野で第一線として活躍していたり、自分のお店をやっていたりと己の道を日々、自然体で研鑽している人たちだ。私も編集という立場で日々文章に携わる仕事をしているが、書いている作品を常に売り出してはおらず、不定期で世に出している。中途半端だと言われればそれまでだが、そんな自分でしか作り出すことのできない作品をきちんと書くつもりだ。ただ、タイトルが決まらない。そろそろ締め切りが近いのでどうしようかと考えている。

 

◆好きな作家は、と問われると困ってしまう。パッと思い浮かぶのは丸山健二大江健三郎村上春樹、、、(別枠でN/Kこと菊地成孔)。挙げるとなると、かなりの人数が出てくる。最近読んだ作品だと、先に挙げた丸山健二の「小説家の覚悟」というエッセイは本当にお気に入りだ。自分は速読する傾向があるが、この作品は読み切るのがもったいなかったので、10ページくらい読むと、残りは次の日に持ち越していた。なかでも映画への言及が特徴的で、小説家であるが、真の映画の愛好家でもあった丸山健二。その考えの推移が面白い。そんな私は映画と本それぞれに違う面白さがあって、それぞれの領域が不可侵であることはとても美しいと考えている。

 

◆くるぶしのあたりに赤い湿疹のようなものが出来てしまった。おそらく蕁麻疹であり、少し痒くて困っている。何が原因で出来たんだろうかという話になった時、ハツ刺しみたいな生モノを食べたからかなあ、と何の罪もない牛のせいにしてしまった。おそらく真の原因は眠りが浅いことによる免疫力の低下だと思うので、その場合は胃腸のなかにいる牛には丁重に謝っておきたい。