近所のコーヒー屋の豆がいちばん旨い

◆先日、ある方を取材した。「ウィズコロナ、アフターコロナの生活様式」というテーマでカチッとトークの内容も固めず、ざっくばらんに話していただいた。取材対象の方はメディアの出演経験も豊富な外国人経営者で、講演とかに慣れている方は話運びが上手いなあと思いながら話を聞いていた。私は要所要所で話をしていて、「国政に対して、メディアやSNSで失策だからやめろと連日罵声を浴びせているのを目にしていて、意見としては正しいかもしれないが、疲れませんか。」と問いかけた。こういった内容は政治色が出てしまうので使えるかは微妙だったが、個人的に気になっていたことなのでいい機会だと思い質問をした。そうすると、「そうですね…最近はみんな、簡単に意見しすぎですね。」という切り出し方で丁重にお答えいただいた。

 「意見しすぎ。」というのは非常に良い見方だ。発言する場が平等に与えられているというのはインターネット黎明期〜成長期を経験している私たちからすると当たり前のことだ。SNSが発達してしまった今、一億(と2,000万ちょい)総評論家状態なので、日々、「何でこの人こんなこと発言してるんだろう」、とか「分かった気になっていて本当にきしょい」とかいう気持ちになることがままある。批評することは大事なんだけど、「必要なときだけお互いのすり合わせのために喧嘩をするけど、ムダに意見しない」というスタンスをとるのが、心の健康衛生上良いのかもしれない。僕は仕事柄、SNS断ちできないので、どんなスタンスで向き合うかということを、ここ10年近く毎日1分くらいのボリューム考えている気がする。SNSの登場は現代の人間には少し早かったという考えは昔からずっと変わっていない。

 

◆ゴーストオブツシマが面白い。PS5へとハードを移すニュースが出て、PS4時代の終わりが近づいているこの時期にこういうソフトが出たのはものすごいことだと思う。同日発売のペーパーマリオの2倍の数をセールスしているらしい。ゲームの時代は鎌倉時代中期、日本史で皆さんが習った「文永の役」での対馬侵攻から物語が始まる。いろいろなクエストをクリアしながら、悪虐の限りを尽す宿敵の蒙古軍を討っていくというゲームだ。ゲームのクエスト内容は若干繰り返しの作業に思えるかもしれないが、キャラの会話や主人公が詠む句にはいろいろな人生の学びがある。「急いては事を仕損じる」とか「優しさなんていくらでも取り繕えます…」といった至言が盛り沢山。またゲーム面でも戦闘システムが凝っていて、ハードコアアクションとしてかなり出来がいい。このゲームを海外のゲームメーカーが作ったことが良いことだ。おそらく日本のメーカーの場合、元寇を舞台にしたゲームはまず作らないし、ここまで世界的に展開することもなかっただろうと思う。作り込み方を見れば、制作サイドの調査量や勉強量は計り知れないものがある。しかし、どうやら海外のユーザーの一部では人種差別と武士の造形などがポリコレ論争に巻き込まれているようだが、これはちょっと考える意味がないのでやめてほしい。このゲームはゲームとして面白いかを語ってくれればそれで十分だと思う。次プレイするゲーム、何にしようかしら。