「Chance」

昨日、「Summer Sonic 2018」に行きました。

 

僕は昔と比べてライブというものから遠ざかっており、

チケットを取って、ライブハウスに足を運ぶ

という足労をしなくなっています。

それは言い方を選ばないとすると、

「内容の想像がついてしまう」から。

 

僕は音楽でご飯を食べていないし、

特段めちゃ詳しい訳でもないです。

だけど、身の程をわきまえずにこう思ってました。

「大抵のライブは定型化できちゃう」

SEが鳴って、20曲前後の楽曲をやって、

アンコールをやって終了。

生身で音を聴く、会場のお客さんの反応を見る、

アーティストがどんな思いでやっているか見るという

ライブでしか経験できない要素は確かにあります。

ただ、直近の僕はアンテナが萎んでしまっているのか、

ライブを選別するフィルターが細かくなっていました。

 

今回のSummer Sonicの特徴として、

初来日のアーティストがかなり多かった。

Knox fortune、Rex Orange County、

Tom misch、jorja smith....

なかでも僕はChance the Rapperにかける

期待が大きいものがありました。

 

17:40、マリンステージにてChance the Rapper降臨。

初めのMixtape、Bleesingの2曲は

直前のTom Mischを見ていたので、

惜しくも見逃してしまいました。

(Tomも凄い。21歳で艶やかな曲をやる技術。

音楽に年齢が関係ないことを思い知らされた。

The Journeyのギターソロを観れたのは感激モノ。)

なので3曲目の「Angels」から観ました。

 

 

なぜこんなにChance the Rapperを観たかったのか

前日、Twitterにて大阪のパフォーマンスの

感想を読んでいたからです。

「観客少ねー」

「レスポンス小さくない?」

「Chance、もう来日しないかもな」

こんなツイートがTLを賑わしていました。

本当に来日してくれなくなるんじゃないか?

生で観るの最初で最後かよ?

ほんのちょっと、そんな想いが心の片隅にありました。

 

ライブは65th&Ingleside、Work Outなどを畳み掛け、

DJ Khaledが入って来てからのi'm the oneからの

「acid rap期」の楽曲群になだれ込んだ。

おいおい、最高じゃないか。

人柄と神のご加護感が出ちゃってるじゃん。

足元の飲料水は誰かに蹴られ消えてしまっていた。

 

そんな中、一点だけ気がかりなことが。

観客のレスポンスが小さい気がしたのだ。

Chanceは歌えない観客にもアプローチし続ける。

MCで「英語の歌詞、あまり分からないよね」と

場を理解してたみたいだけど、

観ているこちらが悔しい気持ちになった。

 

その瞬間はSame Drugsのときに突如起こった。

ピアノが鳴った瞬間に上がる大きな歓声。

We don't do the same drugs no more.と

Chanceよりも大きな声で歌うオーディエンス。

イヤモニを外して、目を見開くChance。

笑顔で拍手する。

「おい、マジか。みんな歌えるんじゃん!」

と天を仰いで、両手で目を覆った。

 

ここで僕は泣いてしまった。

”Drugs"を分かち合えない理由の喩えとして歌った曲。

その曲で完全に会場が一つになった気がした。

 

僕は今までライブで泣いたことが無かった。

最近萎びていたと思ったアンテナ。

事前に分かった気になることが、

どんだけアホなことか。

「あ、シンプルに音楽で感動できんじゃん!」

ということをあらためて気付かせてくれた。

すごくうれしかった。

 

「来てない人、もったいないね」という感想ではなく、

「次はみんな誘って、愉しもうぜ!」というライブだった。

 

「日本は文化後進国かもしれない」

でも、そんなことは全然問題ではなくって。

そんな見方を助長する発言を俺は真っ向から否定したい。

誰も悪くないから。

 

いまwebで「Same Drugs」のライブ映像を見ている。

人間関係に疲れた会社員

スクールカーストを呪う小学生

変なオヤジに迫られるキャバクラ嬢

夫婦喧嘩中の奥さん

この曲を聴いて、元気 the rapperになってほしい。

 

Bleesing(Reprise)の和訳でこの走り書きを締めくくる。

昨日のライブと、これからの僕らを

示してくれてるんじゃないかと思った。

 

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自慢はしない ただパフォーマンスをするだけ

言い聞かせなくてもいい アツくならなくていいんだ

俺は生き返らないし 信仰を隠さないから

神様だって俺のライムをチェックするハズさ

「すげえいい曲じゃん」って思ってくれているはずだよ

通じ合ってるしな

マイケルを踊ってたんだ 高校生のころに

今までもこれからだってミックステープでリリースするよ

俺たちは出来ないことに挑戦すべきなんだ

Hebru Brantley(シカゴのアーティスト)で家をいっぱいにしよう

俺は出来ることをやらなくちゃ

ミスタームファサ(ライオンキングのアフリカライオン)と呼んでくれ

 

今までなんとかやってこれた

それは君が俺にあたえてくれたものなんだ

君が持ってきてくれたんだ

準備はもうできたよな

出来たんだよな?